こんにちは!KIKUを運営している山口こうじ店専務の山口和真です。
腸活におすすめの食材として世界で注目されている「玄米」。
玄米はスーパーフードとも言われていますが、日本人は米文化だからこそ、玄米がスーパーフードと言われると驚きますよね。ちなみにスーパーフードの定義はこちらになります。
日本スーパーフード協会HPより https://www.superfoods.or.jp/definition/
- 栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。 あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
- 一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
そこで今回は、大学院を出て、老舗麹屋の専務として日々麹製品の生産に取り組みながら、麹の研究を重ねている山口和真から皆さまへ「腸活に最適なスーパーフード”玄米”の機能性」をご紹介します。
「腸活に活かせる知識を身に付けたい」「上手な玄米食の取り入れ方を知りたい」「玄米がなぜスーパーフードと呼ばれているのかを知りたい」という方におすすめの記事です。
玄米とは?
玄米とは、未精白の米のこと
まず基礎知識として、玄米とは胚芽や表皮が残っている未精白の米を言います。一般的に、米は収穫された後、もみを外し、乾燥調整を行い、玄米で保存、出荷前に精白し、私達の食卓に届くのです。この精白というプロセスで、玄米の「胚芽」や「表皮」が削り取られ、「白米」と「糠(ぬか)」に分かれます。つまり、玄米を食べるということは、胚芽や表皮に含まれる様々な機能性成分とエネルギー吸収効率のいい米を一緒に食べられるという、まさにスーパーフードとも言える食材なのです。
玄米の4つの機能性
玄米の胚芽や表皮には、人体に必須な40種類以上の栄養素が含まれ、さらにGABAといった機能性成分も含んでいます。ではどのような成分が含まれていて、どんな機能性があるのかをご紹介します。
1.食物繊維がとても豊富
日本人が恒常的に不足していると言われている食物繊維ですが、白米一合(150g)あたり含有食物繊維量が0.8gなのに対し、玄米一合あたりの食物繊維料は4.5gと、玄米には約6倍近い食物繊維が含まれています(日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)より)。つまり、炊いた玄米(白米時の2~2.3倍量)をお茶碗一杯(約150g)を3食、食べるだけで、7.2gもの食物繊維を摂ることができるのです。
日本人の食物繊維一日推奨摂取量は成人男性で21g以上、成人女性で18g以上とされており(公益財団法人長寿科学振興財団より)、玄米食に変えるだけで一日の1/3もの食物繊維を取れる計算になります。これは食物繊維が豊富と言われるブロッコリー150g分と同義であり、かなりの食物繊維が摂れることがわかります。
また、玄米に含まれる食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維であり、便の量を増やし、腸の蠕動運動を促すことで排泄を促してくれます。便秘の改善だけでなく、悪玉菌を吸着し、排出する効果もあることから、玄米は腸活に最適な食材なのです。
腸活の仕組みやおすすめの食材についてはこちらの記事でもまとめておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2.水溶性ビタミンが豊富
玄米には、水溶性ビタミンが豊富に含まれていると言われており、特にビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチンがとても多く含まれています。下記に、それぞれのビタミンの作用と一日摂取量を玄米ベースでまとめました。また、実数値については日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参照して計算を行いました。
ビタミンB1
まず、細胞内でブドウ糖をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1(チアミン)は、白米に比べ、約5倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり0.31mg)が摂取できます。一日の推奨摂取基準として、成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgとなっていることから、玄米を3食で食べることで一日の摂取量を摂れてしまうのです。特にアスリートや頻繁に運動をされる方は、より多くのビタミンB1を必要とするため、玄米食がおすすめです。
ビタミンB2
糖質、たんぱく質、脂質の代謝やエネルギー産生に必要となるビタミンB2(リボフラビン)は、白米に比べ、約2倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり0.03mg)が含まれており、一日の推奨摂取量は成人男性で1.6mg、成人女性で1.2mgと、玄米食だけですべてを賄うことはできませんが、魚介類や肉類、豆類、藻類など、ビタミンB2が多く含まれるおかずとともに食べることで、効率よく摂取できます。
ナイアシン
糖質、脂質、タンパク質の代謝やDNAの修復や合成など、さまざまな役割を担うナイアシンは、白米に比べ、約4.5倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり4.5mgNA)が含まれております。さらにアミノ酸のトリプトファンは体内でナイアシンに変換されるため、ナイアシン量+1/60トリプトファン量=ナイアシン当量(mgNE)と表記され、一日の推奨摂取量として成人男性で15mgNA、成人女性で12mgNAと3食で玄米を食べるだけで推奨量を摂取できます。
ビタミンB6
アミノ酸の代謝や赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成など、様々な役割を担うビタミンB6は、白米に比べ、約4倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり0.32mg)が含まれており、一日の推奨摂取量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgと3食玄米を食べるだけで推奨量のほとんどを賄うことができます。ビタミンB6が不足すると、うつ状態などの神経異常を引き起こしたり、皮膚炎などの原因となるので積極的にとるべきビタミンの1つです。
葉酸
赤血球の生産や細胞の生産や再生を助けるなどの体の発育に必須な葉酸は、白米に比べ、約3倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり20μg)が含まれており、一日の推奨摂取量は成人男性、女性ともに240μg(妊婦は+240μgを推奨)と玄米食のみで賄うことはできませんが、鶏卵や内蔵、チーズ、豆類、ブロッコローなどの野菜に豊富に含まれていることから、発酵食品を加えたバランスの良い献立を摂ることで、しっかりと摂取できます。
パントテン酸
エネルギー産生の時に重要な役割を果たしている補酵素AやACPの成分となっているパントテン酸は、エネルギー獲得のの代謝において、必須な補酵素Aを作る特に重要な役割を担っております。白米に比べ、約2倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり2mg)が含まれており、一日の推奨摂取量は成人男性、女性ともに5mgであり、玄米食にすることで賄えます。パントテン酸は過剰摂取しても排出されることから、バランスの良い食事を心がけることで、他のビタミンも不足なく摂取できます。
ビオチン
糖代謝やアミノ酸代謝の補酵素として活躍するビオチンは、白米に比べ、約4倍の量(炊いた玄米を茶碗一杯あたり4.5μg)が含まれており、成人男性、女性ともに一日の推奨摂取量が50μgとされています。きのこや鶏卵、家畜の内蔵などに豊富に含まれており、過剰摂取しても排出されることから、バランスよい献立を心がけましょう。
水溶性ビタミンは一部を除いて、過剰分は尿として排出されることから、不足しないよう積極的に摂ることが推奨されています。
3.ミネラルが豊富
水を張って作られる水稲は、山から下ってきた農業用水の中にミネラルが含まれていることから、米中にも豊富なミネラルが含まれていると言われています。
特に代謝やミネラルバランスの調整、骨の重要成分となるマグネシウム(白米の5倍量)、赤血球の主成分である鉄(白米の約3倍量)、活性酸素の分解や関節などの結合組織を作るマンガン(白米の約3倍量)、血糖を調整するインスリンの生産を助けるクロム(白米には含まれない)などの様々なミネラルが含まれています。
特に貧血の原因となる鉄は、体内での吸収効率がとても悪く、積極的に摂取する必要があるため、玄米食はまさに貧血予防にも役立つスーパーフードなのです。
4.世界で注目される機能性成分が豊富
お菓子売り場などでよく見かける、ストレス軽減や安眠作用をもたらす「GABA(γ-アミノ酪酸)」や、コレステロールの消化管からの吸収を抑え、血清コレステロールを低下させる作用をもつ「γ‐オリザノール」、キレーション(毒素排出)作用により、肌内で活性酸素が発生する原因となる物質を外へ排出する働きにより、肌のシミ・シワなどを改善する作用をもつ「フィチン酸(IP6)」などをはじめ、玄米は様々な機能性物質を含んでいるとされています。
機能性成分は解明されていない物質も多いため、今後の研究でさらなる機能性物質が見つかるかもしれません。
上手な玄米食の取り入れ方
最後に食卓で簡単に玄米を取り入れる方法を説明します。
まず、炊飯する際、どうしても玄米は火が通りにくく、炊きづらい印象があると思います。その場合は、「無洗米玄米」という、表皮を削るのではなく、見えない傷をつけることで吸水性を高めた商品があります。無洗米玄米は通常米と変わらない方法で米を炊くことが可能で、玄米の栄養素や機能性成分を余すところなく摂取できることから、玄米食にチャレンジしたい方におすすめの商品となっています。
玄米のエグミのような味が苦手な方は、白麦や押し麦を加えることで、麦の甘味や食感が加わり、食べやすくなるだけでなく、食物繊維をさらに摂取することができます。
また、イチオシは玄米麹を使った「塩麹」や「醤油麹」です!
山口こうじ店のオンラインショップでも玄米麹(こちらから購入可能です)を販売していますが、塩麹や醤油麹にするだけで、めちゃめちゃ美味しくなります!普通の米麹よりも旨味が強く、さらに食感がしっかりと残ることから、食べごたえも満点で、一番オススメの食べ方です。
さらに玄米麹を使ったお味噌もおすすめです。簡単に味噌を作れるキットも多く販売されているため、初めての味噌作りに挑戦するのはいかがでしょうか。
KIKUドリンクは、玄米甘酒の展開も。
山口こうじ店が運営する「KIKU」のおすすめ商品「21種類から選べるKIKUドリンク(甘酒)サブスクリプション」では、玄米を使った甘酒も展開してます。毎朝100ml、KIKUドリンクで気軽に玄米食を取り入れてみませんか?
商品の詳しいご説明はこちらのページをご覧ください。