埼玉県日高市の「利平栗」を使って地域に貢献。こだわりの「くり甘酒」づくりの裏側をインタビュー 〜株式会社クリメン様〜

こちらはKIKUを運営している山口こうじ店 専務の山口和真が、KIKUづくりに関わる生産者を訪問し、インタビューを行うシリーズです。KIKUは、製造会社の麹屋「山口こうじ店」だけでなく、たくさんの生産者の方々に支えられてできています。

本記事を通して、KIKUシリーズの背景や、KIKUづくりに関わる生産者の方々の想いを知っていただけたら嬉しいです。

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今回のインタビュー

十一屋 代表
株式会社クリメン 専務取締役
金島淳規 様


埼玉県日高市にて栗に関する商品開発等を行う会社。
イベント出店や「ふわふわクリッカー」「ふわふわスライダー」という遊具をつくり
子供たちに遊び場を提供するなど、地域貢献にも力を入れている。

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栗の王様「利平栗」を100パーセント使用した商品が特徴。

山口:クリメンさんの農園で育てている栗の種類や特徴を教えてください。

金島さん:うちの栗は、栗の王様と言われている、甘みの強い「利平栗」をメインに扱っています。栗が大好きな代表が利平栗を推しているので、その代表を信じて味に自信のある利平栗を100パーセント使った商品を提供しているのが特徴ですね。

利平栗の写真
利平栗
栗を持って説明をする金島さん
利平栗を片手にお話をする金島さん

栗好きの代表が栗農家さんを残したいという想いではじめた活動。

山口:栗をつかった事業・地域活性化をおこなった理由についておしえてください。

金島さん:代表がもともと栗が大好きで。そんな中で、栗農家さんが皆さんかなり高齢者になっていて、栗の畑を手放すとか、そういう話が多く聞くようになったんです。そこで、その栗農家さんを残したいという想いから代表が活動をはじめまして、2017年に株式会社クリメンという形で一緒に行動させていただくようになりました。

埼玉県日高市にある店舗の画像
埼玉県日高市にある店舗

くり甘酒は、無農薬・完全無添加でどなたでも安心して飲んでいただける商品に。

山口:弊社(山口こうじ店)と一緒に作った栗甘酒のこだわりを教えてください。

金島さん:どなたが飲んでも安心して飲んでいただける、という点にこだわりました。赤ちゃんからお年寄りまで安心して飲んでもらえるものというものを作っていただいているというのは本当に感謝しております。うちの農園も見ていただいたとおり、100パーセント自然の状況で、農薬等を一切つかっていません。山口さんのところでも完全無添加というところを推しているので、そういった安心感でどなたにでも飲んでいただける、美味しいもの・さらに身体によいもの、ということが一番のおすすめのポイントですよね。

くり甘酒の画像
くり甘酒

クリメンと山口こうじ店の出会いは2019年の全国物産展。

山口:初めて金島さんと出会ったのは、全国物産展でしたよね。

金島さん:そうですね。2019年の池袋の全国物産展でたまたま知り合うことができて。山口さんがお酒好きだったというのが一番大きなポイントになるんですけど。笑
うちのビールを気に入って飲んでいただいたのでご挨拶に伺ったら、「麹屋さんなんです」ということを伺って。私、出会う何年か前から「栗の甘酒がつくりたい」とずっと代表に話をしていたんです。ですがなかなかチャンスが恵まれない、という中でお会いして、お話をしたら「是非やってみたいです!」というお返事をいただいて。

山口:懐かしい!そうでしたね。

1年間の試行錯誤を経て完成した「くり甘酒」。

金島さん:メールや電話で話を進めていたら、すぐにサンプルを作って送っていただいて。こんなにスピード感を持ってやっていただいてありがたいなと思う反面、うちらもついていけるのかな?というちょっと思ったのですが。笑
逆に言うと苦労は無くて、ここはちょっとこうだねとか、飲んでみて違うかな?と思うことを話すと、すぐに理解してくれて、「こうしてみます!」とサンプルを送ってくれて。それを1年くらい繰り返しましたね。

インタビューの様子の画像

栗屋さんがつくる「くり甘酒」だからこそ、栗と麹のバランスが重要。

山口:金島さんの理想とするくり甘酒をつくるときに、苦労した点をおしえてください。

金島さん:やっぱり麹屋さんが作る甘酒というのは、麹がメインになると思うんですよ。でもうちは栗屋さんなので、栗がメインに出てきてくれるほうがいいなと思っていて。最初にできたサンプルは、味は美味しくて「どろっ」としていて「ザ・甘酒」と思ったのですが、うちのイメージするもうちょっとライトな客層にも飲んでもらいたいと思うと、ちょっと重たすぎるかなっていうところもあって。最終的には「麹」も感じられつつも、「栗」をメインに感じられるギリギリのところで、ライトな感じに仕上げていただいて。そのバランスを取るのが一番大変でしたかね。

インタビューの様子の画像

実は「くり甘酒」の製造のために試行錯誤し、新たな製法を確立。

山口:本当今まで言っていないんですけど。金島さんからくり甘酒のご依頼を受けたときに、実は特許取れるくらいの製法を確立させたんですよ。くり甘酒って、普通に栗と麹を併せて発酵させても実はできなくて。新しいある特注のものをつくってもらって、それでやっと実現した商品だったんです。それなので本当に時間がかかったんですけど、そこまで突き詰めたからこそ、いまその知識が生きている部分がたくさんあって、個人的にも良い経験をさせていただきました。

インタビューの様子

「くり甘酒」は利平栗を100%使用し、味にこだわった自信のある商品。

山口:金島さんの考える、くり甘酒の推しポイントを教えてください。

金島さん:全てなんですけどね。全て推しでしかない。笑 
やっぱり「利平栗」というのがうちの一番の推しになっていますので、栗農家さんが減ってしまっているなかで「利平栗」を100パーセント使っているということですかね。しかも、こだわってこんなに良い商品を作りあげられる麹屋さんと一緒になってできるのって、うちだけじゃないかなって思っているので、そこには自信をもっています。そこは本当に推したいところですね。

夏はキンキンに冷やして。香りを楽しむならレンジで温めるのもおすすめ。

山口:ありがとうございます。くり甘酒のおすすめの飲み方ってありますか?

金島さん:夏はキンキンに冷やして飲んでいただきたいですね。あとは、移しかえて、レンジで温めてもらって若干熱めにしてもらうと、麹の香り・栗の香りさらにたつので、お客さんには真夏であっても一言添えています。

くり甘酒以外にも、日高の特産品「狭山茶」を使った甘酒を開発。

山口:くり甘酒の後は「くり抹茶甘酒」など地域の特産品を使って新しい商品開発もしましたよね。

金島さん:はい。おかげさまで、2021年にくり甘酒が埼玉県新商品アワード金賞受賞させていただいて。それでちょっと調子づいて、他のもつくってみるかーという話になって。笑
このあたり(埼玉県日高市)は、日本三大茶である狭山茶の産地でもあるんです。栗を持ってて、麹屋さんと知り合いで、狭山茶も手に入るっていう良さって、うちにしかないなと。その中で、実際に栗と抹茶を掛け合わせても多分いける味になるんじゃないかなと思ったので、無理を言ってやってみてもらいました。笑

くり抹茶甘酒の画像
くり抹茶甘酒

地域の特産品開発は、地域の方が飲んで「美味しい」と思っていただくことが大切。

山口:甘酒って、配合とかで全部変わってきますし、調整方法でも変わってきます。味の好みは人それぞれですが、やっぱり発酵食品って地域の人が飲んで美味しいものじゃないとその地になじまないなと思うんです。なので、金島さんの意見をいただきながら近づけるような努力をしました。

「くり抹茶甘酒」は冷やして飲んだり、牛乳で割って抹茶ラテのようにアレンジすることも。

金島さん:「くり抹茶甘酒」の飲み方は、冷たいのをおすすめしています。もちろん、温かくして飲んでも美味しいんですけど、お茶の渋みやが少し感じるかもしれないので、バランス良く飲むならば冷やして飲むのがおすすめです。お客さんによっては、牛乳で割ってる人もいたりします。「くり抹茶甘酒」って抹茶ラテみたいなイメージですね。

今後は、普段食卓に並べられるような商品展開もしてみたい。

山口:今後、どのような商品を作っていきたいですか?

金島さん:山口さんのお顔をみると商品の話になっちゃうんですけど。笑 
案だけは無限にあるので、山口さんと二人三脚で実現していきたいですね。これまで取り組んできた商品(「くり甘酒」・「くり抹茶甘酒」)って主食ではなく、プラスアルファの商品なんですよね。それも良いのですが、普段、食卓に並べられるものだったり、食べられるもの、例えば調味料系や、うちのイベントでつかう餡子とか。それを栗と麹を使って作れないかなと考えているところです。

全国物産展の出展予定や、山口こうじ店との新商品デビューの予定も。

山口:最後になにか宣伝があれば!

金島さん:おかげさまで、今週からずっと忙しくて。笑
各種イベントに出展予定で、例えば池袋のサンシャインシティの全国物産展は7年連続で出させていただきます。あとは、まだトップシークレットになるんですけど、山口こうじ店さんとの新商品をデビューさせる予定で。これは、実はうちの間違いから始まった商品なんです。それを山口さんに話したら面白いんじゃないの?ということで商品化に向けて動いているんです。アイデアにすぐ「やってみます?」とのってくれる方っていうのは本当にありがたくて。さすが若い人だなと。笑

山口こうじ店として初のOEM事業。

山口: 断ったことないですもん。笑
弊社としては、OEMではじめてやらせていただいたのがクリメンさんだったんです。150年の歴史があって、はじめてが御社で。クリメンさんが、「一番最初にこういう企画があったらやろう」と思っていたような会社だったので、すぐに実現できたんです。

顔を合わせて一緒に商品を作り上げられることが嬉しい。

山口:私は、今後のビジネスって、人と人とのビジネスなってくると思っているんです。弊社としても、弊社の商品をこちらで売ってもらおうということではなく、御社の商品や地域の商品を一緒に作り上げていくことが大切だと思っています。なので、顔を合わせて一緒に仕事できるというのが一番幸せなことですし、お互いが協力し合えると思います。私自身も、言われたら全部OKで挑戦していきたいです。

栗農園での2ショット画像
左)山口こうじ店 専務 山口和真 / 右)クリメン 専務取締役 金島さん

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クリメンさんの利平栗を使い山口こうじ店で製造した「くり甘酒」。
KIKUドリンクの秋のシーズナルで登場!

今回ご紹介した「くり甘酒」はKIKUドリンク 秋のシーズナルでお取り扱いしています。
KIKUドリンクの詳細、お試しセットはこちらから↓

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人

山口 和真のアバター 山口 和真 有限会社山口こうじ店 専務

福島県白河市出身。
東京農業大学醸造科学科で基礎的な醸造学を学び、より深い知見を得るため同大学院に進学。発酵食品の研究を行う研究室で日々発酵試験を行いながら、キノコの特異性に惹かれ、研究テーマに。キノコを用いた環境浄化について論文を挙げた。その後、実家家業である有限会社山口こうじ店に入社し、大学院生活で得た微生物学的知識から新たな発酵食品の開発を行う 。地元TV放送局でのレギュラー出演や雑誌・新聞等にも多数出演。徹底した「本物の味」造りをモットーに、皆様に食で笑顔と健康を届ける麹屋を目指す。
受賞歴:ふくしま産業賞 奨励賞、白河関のみそ 全国味噌鑑評会 平成6~8年の3年連続理事長賞

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